①新古典派って?
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ダヴィッド作 ヴィーナスと三美神に武器を取り上げられるマルス | |
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アングル作 ホメロス礼賛 |
新古典に今までのように語源となるようなものがあるわけではないので、突然絵画から始まりますが、二つの絵を見ていただければ、『ああ、あたしかに古そうなイメージだね』と言うのがお分かりいただけるのでは?
左はギリシャ神話の一幕、ホメロスは古代ギリシャの詩人です。
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ラファエロ作 システィーナの聖母 |
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アングル作 ルイ13世の請願 |
読んで字のごとく、主に、古代ギリシャやルネサンス等を手本とした人たちのことです
しかしアングルの聖母はスポットライト感があってバロックぽくも見えますね
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ダヴィッド作 マーラーの死 |
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ミケランジェロ作 ピエタ |
②背景は?
華やかだった貴族の時代もフランス革命によって終わりを告げ、 その時代の反省から、倫理的で理性的、またデッサンを重視した男性的な絵が好まれるようになります。
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古代芸術の本を書き、新古典の理想を世に広めた | ヴィンケルマン |
また、この時代、ヴェスビオ火山の噴火によって地中に埋まっていた、ポンペイやヘルクラネウムの遺跡が発掘され、古代ローマやギリシャへの憧れが熱を帯びます。
そして、憧れと共に、イタリアを訪れ、古典美術やイタリアが輝いていたルネサンスの芸術に触れ影響されました。
③フランス以外では
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カーノヴァー作 アムールとプシュケ |
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カーノヴァー作 ヘラクレスとかカリス |
こちらイタリア人のカーノヴァー
シワが全く無く非常に滑らか、かなり理想化された姿ですね、理想化されすぎて動きが無いとも言われます。
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メングス作 The Triumph of History over Time, |
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メングス作 Der Parnass |
ダヴィッドより、一足先に新古典を描いていたドイツ生まれの、スペイン宮廷画家メングス。
新たなラファエロともよばれたそうです。
④ギャラリー
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ダヴィッド作 アルプスを越えるナポレオン |
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ダヴィッド作 ホラティウス兄弟の近い |
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ダヴィッド作 処刑台のマリー・アントワネット |
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ダヴィッド作 レカミエ婦人 |
政治が大好きなダヴィッドさん、フランス革命後はナポレオンに心酔、ナポレオンと共に行き、また、ナポレオンと共に失墜します。
①で紹介したマーラーはフランス革命で活躍するも暗殺された革命家、アルプスを越えるナポレオンはおなじみですが、かなり脚色があることでも知られています。
レカミエ婦人は、ナポレオンが愛人にするための道具として、ダヴィッドに描かせた絵画(でも結局気に入らないと受け取ってもらえず、愛人にもなりません)
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アングル作 泉 |
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アングル作 玉座のナポレオン |
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アングル作 オシアンの夢 |
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アングル作 グランド・オダリスク |
デッサン重視で、かなり輪郭のはっきりした絵を描くアングル、一方で理想化されすぎて、血の気がないとか、人間を描いていないとも言われます。
実際、グランド・オダリスク など妙に背中が長い(モデルは自分の背中は見えない=背中は画家だけのもの、とういことで、背中が好きだったと言う話もあったり)絵もあり、実物はなく彼の理想の姿を描いたとされます。
サロンの重鎮として、後のロマン主義の画家ドラクロワと対立する一方で、グランド・オダリスクのような東洋的で、ロマン主義がテーマにするような作品も描いたり、写真に対する反対運動をしつつ、作品を作る際、自分は写真を使っていたりもします。
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マン・レイ作 アングルのバイオリン |
写真に詳しい方はご存知かもしれませんが、マン・レイの『アングルのバイオリン』の元になってるアングルでもあります。
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